抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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結晶軸方向で線形熱膨張の異方性を示すムライトは,バルク内の一軸方向加熱下で熱応力から亀裂を生じ,高い耐熱性セラミックは非臨界亀裂集合によるミクロ亀裂構造形成(応力発生を消去)で合成される。その耐火物製造技術として信頼性が高く,実施容易な炭素含有添加物の導入法が用いられ,耐熱性向上の2条件(熱伝導性の向上,ムライト粒子周囲の可塑性マトリックス形成)が実現する。ムライト耐火物中への炭素導入は,炭素含有原料化合物により固体,液体,気体各状態とその組合せで行われる。ここでは,ムライトグラファイト耐火物調製用装入物組成に電極の振動粉砕くずと液体リグノスルホン酸塩(LST)を使用した。藍晶石のムライト化反応(シリカ導入)における各成分の熱力学的特性値(文献)を示した。工業的に利用される藍晶石のムライト化反応過程において,固相反応における固溶体組成中導入と新化合物相生成,液相との反応による融成物の性質変化,結晶相-ガラス相間の金属酸化物分布,融成物構造の結晶化速度支配などを認めた。還元性焼成条件および焼成後の化学組成,反応関与物質のΔH,ΔS標準値に基づいて,炭素存在下のモデル反応(耐火物合成反応,シリカ-炭素反応)系の挙動を解明した。シリカ-炭素系の高温反応で発生するCO
2とCからの2CO生成,SiOからSiO
2への酸化などが付随する。アルミナ-炭素系では炭素表面とAl準酸化物との化学反応が生じ,耐火物構造中に炭化物が出現する。この耐火物のX線回折法,高温質量分析法による結果に基づいて,気相生成物の反応,固相成分間の相転移を考察した。