抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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エネルギー業界の再編を取り巻く,基本的なファンダメンタル・アイテムには,人口減少,ライフスタイルの変化,政府の財政緊縮化,産業構造転換,技術革新,行政制度改革,CO
2削減,資源問題,エネルギーセキュリティ,ナショナルセキュリティ等などが考えられる。石油業界は「低炭素化」という全般的な流れを背景に,国内市場では,今後,徐々にシェアを落としていくことが予想される。こうした共きょうから,日本の製油所は構造的な設備過剰状態となり,今後,数回に分けて大規模な製油所の統廃合が実施されていく。統廃合をされた製油所は,国際競争力を持つ最新鋭の超大型製油所に生まれ変わる。地方都市ガス会社も含めた約200社存在する現在の都市ガス業界体制は,見直しを余儀なくされる。今後のガス会社は,ガスを使っていかに電気を作っていくか,つまり「巨大な電気の市場」に参入していくことが,これからの主要課題になる可能性がある。原子力を除いて,電力会社の今後の経営にインパクトを与えそうなのがスマートグリッドの成り行きである。スマートグリッドはその導入によって,電力会社以外の業種が電力の系統ネットワークに参入してくる可能性がある。スマートグリッドを最も導入しやすいのが,人口密度の低い地域を多く抱える地方電力会社の管内で,スマートグリッド導入による電力業界への圧力は,まず地方電力から受けることも予想される。ポイントとなるのは,30年に向けた「電化」の流れを背景に「巨大な電気の市場」に対して,ガス,石油業界が,どう対応するかである。ガス,石油業界ともに30年の企業像として「総合エネルギー企業」の旗を掲げており,電力,ガス,石油の業界の壁を超えた再編が出てくる可能性もある。