抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鋳造技術のなかでも失蝋法を取り上げ,中国を中心に東アジアにおけるその出現と展開の過程を考察した。失蝋法は蝋製の模(原型)を用いて鋳造する方法であり,近年,中国の青銅器時代における失蝋法の存在をめぐり議論が行なわれている。これは,従来中国の青銅器時代における失蝋法の代表的遺物とされてきた「曾侯乙」尊盤や淅川下寺銅禁が,失蝋法ではなく笵鋳法により生産されたという見解が提示されたことが発端である。本稿では,中国における失蝋法の出現の歴史的(技術史的)位置付けや「曾侯乙」尊盤や淅川下寺銅禁など透空状紋飾を有する青銅製品の製作工程について,学史的整理を行なった。先行研究の間には失蝋法だけでなく製作工程の様々な面で見解差があり,製品ごとに製作工程を明らかにする課題が浮かび上がった。