抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1。デフレ経済の進行とともに,多くの分野で「価格破壊」が発生しており,多くの業界が「利益なき繁忙」に直面している。特に書籍出版業界は深刻である。一方で,「こだわり消費」や「価格戦略」の見直しにより,収益率改善を目指す試みも見られる。2。書籍出版業界が「利益なき繁忙」から脱するためには,「出版意義が低く収益に貢献しない出版企画」から,経営資源を「出版意義があり,収益に貢献する書籍」に振り向ける必要がある。また,期待収益と予想販売部数を想定しながら適切にコスト管理することで利益率を改善していく必要がある。3。書籍の価格には,購入者の抵抗価格ともいえる「価格の壁」が存在し,100円の価格設定の違いで,販売部数と収益が大きく変化する。また,100円の価格設定の差が収益率に大きな影響を与える。「価格の壁」を見極めた最適な価格を設定する必要がある。4。「電子書籍」の出現,「再販制度や委託販売制度の実質的な変容」という書籍出版業界の環境変化のなかでも,書籍の最初の売り出し価格を決める価格戦略の重要性は変わらない。5。書籍以外にも,「最後の決め手が価格」「ニッチ(すき間)商品」「単価とロット(最小製造単位)が中程度」などの条件を満たす財に対して,本稿で論じる価格戦略や調査手法を応用することは可能である。(著者抄録)