抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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全反射蛍光X線分析では,入射X線の単色化およびシンクロトロン放射光のような高強度X線源の利用により,スペクトルの信号対バックグラウンド強度比を高めることが検出感度を向上させるために必要不可欠であると考えられてきた。一方,われわれは数ワットの自然空冷式X線管からの非単色X線を用いるハンディー全反射蛍光X線分析装置を開発してきた。従来の定説に反して,入射X線を単色化せずに使用する方が検出下限を改善できることを本装置の開発過程で明らかにした。また,非単色X線を使用する際には試料量を少なくして測定することで試料自体からの入射X線の散乱を減少させ,検出感度を向上させることができた。さらに,最適なX線管ターゲットの選択,X線管の管電圧,管電流,入射X線の視射角の最適化,X線導波路の利用により,本装置は微弱X線管を使用しているにもかかわらず,シンクロトロン放射光に迫る10pg(10
-11g)の検出下限を達成した。本稿では,ハンディー装置の概要,管電圧などの測定条件を変えると検出感度がどのように変化するかについて解説し,生体試料や顔料の元素分析への応用例を紹介する。(著者抄録)