抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現有大型射出成形機で出しうる最短成形サイクルを理論成形サイクルとする。理論成形サイクルで成形し,発生した不具合を課題とし,課題要因の対策を行い,理論成形サイクルタイムを実現する取組みに着手した。課題のうち”メラメラ”の解決事例につき紹介した。メラメラとは,製品表面が部分的に波打つ現象である。メラメラ発生メカニズムを,射出成形では最初に製品表面で固化層が形成され,中心部に向かって固化しながら収縮し,収縮力が大きすぎると固化層の弾性限界を超え固化層が変形し,メラメラになると考えた。固化層の形成速度はほぼ一定であるため,メラメラ発生の有無は収縮力の大小で決まる。メラメラを樹脂流動解析で予測する場合,体積収縮率を代用特性とした。バンパー材でメラメラ発生状況とCAEの体積収縮率を比較し,しきい値が8%であった。保圧力,製品の肉厚,型温,樹脂温度,保圧時間をパラメータとして体積収縮率の回帰式を求めた。肉厚を薄くするのが体積収縮率を下げる効果が最も大きく,コスト面でも有効なため,薄肉化でメラメラ対策を行うことにした。CX-7フロントバンパーで,薄肉化前後につきCAEで保圧時間5秒の体積収縮率を確認した。体積収縮率は,製品肉厚3.5mmで8~10%,製品肉厚2.7mmで8%以下であり,肉厚2.7mmに設計変更し,実成形でも保圧5秒でメラメラをOKにした。新型デミオのフロントバンパーにも展開し,図面段階で薄肉化を織り込み,CAEで体積収縮率を8%以下に抑え,実成形でも保圧5秒でメラメラをOKにできた。成形サイクルタイムは,CX-7では理論値に3.1s未達であったが,新型デミオではほぼ達成できた。