抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
自動車用薄鋼板の鋼板強度の上昇に伴うプレス成形性の低下に対して,鋼板をオーステナイト域にいったん加熱した後,金型で成形と同時に急冷する熱間プレス法が着目されている。一方,本法では,製造部材の部位により強度・硬度に大きな差がつくという問題がある。本稿では,熱間プレス材の硬さおよび組織に及ぼす焼入れ時の冷却速度の影響を調査した。板厚1.2と1.6mmの0.2Cボロン鋼鋼板を用い大気炉中で900°Cに加熱後,熱間プレスハット成形試験,熱間プレス平板(平板油圧プレスまたは水冷による急冷焼入処理)試験に供した。合わせて,熱間プレス熱履歴を模擬した再現熱サイクル試験および熱膨張量測定を実施した。以下の知見を得た。1)熱間プレス平板試験材のミクロ組織は,完全ラスマルテンサイトと自動焼戻しマルテンサイトから構成され,硬さは,完全ラスマルテンサイトよりも低かった。2)供試材の上部臨界冷却速度は,30°C/s~60°C/s以下であった。また完全ラスマルテンサイトが得られる上部臨界冷却速度は約300°C/sであった。3)オートテンパー時の硬さの積算焼戻しパラメータλを用いた近似式Hv=1513-48。9λ(21。97≦λ≦22。57)を得た。4)熱間プレス成形品の硬さ変動の主要因は,焼入れ時のMs点以下で冷却速度が約20~300°C/s範囲で生じるオートテンパー現象と考えられる。