抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本県相島における真珠養殖の特色は,相島に生息するアコヤガイの遺伝的多様性に考慮し,天然採苗したアコヤガイを母貝として用いることにある。そのため,天然採苗による稚貝の確保は非常に重要である。本研究では,天然採苗に関する漁場試験と室内試験を行い,相島での効率的な天然採苗手法開発の基礎資料を得ることを目的とした。漁場試験と室内試験において,付着基質として網類およびアワビ種苗生産用の付着板(以下,付着板)で採苗試験を行った結果,漁場では,魚類による食害が大きいと考えられた。また,付着板においては,横置きの方が縦置きよりも稚貝が付着しやすいことが確認された。さらに付着基質の色は黒色の方が,透明,白色および褐色よりも稚貝が付着しやすいことが明らかとなった。また,相島の漁場に多数生息するカワハギの稚魚およびベニツケガニが,アコヤガイ稚貝を多数捕食することを確認した。これらのことから天然採苗を行う上で重要なことは,魚類およびカニ類の食害を防ぐような構造を有し,なおかつ付着面積が広く,潮通しが良くアコヤガイ幼生の接触機会が多いことが必要であると考えられる。また,アコヤガイ幼生が付着基質として好む色も考慮に入れる必要があると思われる。(著者抄録)