抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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1.清酒の多様化を目的に,3株のリンゴ酸高生産酵母を選抜した。3株は,きょうかい酵母14号の泡なし(K-1401)株の自然誘発によるシクロヘキシミド耐性株(A株),石川県内の酒造企業の酒蔵から採取した清酒もろみ85種類(1700株)の中から選抜した株(B株),きょうかい酵母9号の泡なし(K-901)株とワイン酵母(OC-2)との細胞融合株(C株)である。2.選抜酵母3株を用いて総米500gの清酒の小仕込試験を行った結果,いずれの酵母も対照のK-9と比較して,リンゴ酸を1.5~2倍多く生成した。3.総米3kgの試験醸造を汲水歩合130%と120%で行った結果,アルコール発酵能の低下がなく,リンゴ酸高生産に関して500gと同様な傾向を示した。汲水歩合120%でB,C株を用いた場合,汲水歩合130%の場合よりも味が濃醇で評価も比較的良好であった。4.A株を用いた場合,清酒中のリンゴ酸量は汲水歩合130%,120%でK-9のそれぞれ約2倍,約1.4倍高い値を示した。A株の発酵力はいずれの汲水歩合でもK-9と同等以上で,同株で日本酒度プラスの清酒を製造することができた。5.B株及びC株の発酵力は,K-9に比較してもろみ発酵後期に弱く,もろみ日数が長くなったが,最終的に約18%のアルコールを生成した。汲水歩合120%でB株,C株を用いた試醸酒は,日本酒度マイナスでK-9に比較して酸度が高く濃醇な味わいとなった。(著者抄録)