抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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遷移金属(TM)原子の酸化反応について筆者らのグループにおける最近の実験的研究を紹介する。気相TM原子の反応は,1990年代初期に反応速度論的研究から始まった。TM原子はns軌道と(n-1)d軌道のエネルギーが非常に近いため,狭いエネルギー領域に異なった電子配位およびスピン多重度の複数の電子状態が存在する。複数の電子状態が関与する反応は,異なるポテンシャル面の相互作用を解明する対象と考えられる。単一衝突条件で反応を観測することが必須条件になる。反応速度論的な研究では,TM原子や生成物とバッファーガスのHeなどの間で多くの衝突が起こっているため,原子の電子状態は容易に変化するし,生成物の生成時に持っていた内部状態分布や各分布などの情報が緩和したり,引き続く反応により失われたりするので,単一衝突条件で観測して電子状態を選別することが前提になる。このため,高濃度の気相金属原子を生成するレーザ蒸発法を含む交差分子線法が適用して,レーザ励起蛍光スペクトルを求めた。今後エチレンなどの炭化水素との反応において,電子状態レベルから反応力学の理解が進むと期待される。