抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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今までマイクロマシニングはAl,Cu,アモルファスNi-P合金などの材料に限られ,鋼はダイヤモンド工具の摩耗のため可能でなかった。この摩耗は鉄とダイヤモンドとの炭素親和性が高いために生じる化学反応摩耗である。電子的にいえばFeの不対d電子が存在するためである。解決策としてFeのd電子を窒化層のP電子で飽和させるというアイデア,窒化物層は厚さが厚く気孔が少ないほどよいことが他の研究者によって知られている。気孔があると,化合物層の密度,硬さ,強度,靭性を減少させるからである。しかしながら厚くて気孔の少ない窒化物層をどのように生成できるかは知られていなかった。本論文では低合金焼入焼戻鋼42CrMo4にガス窒化,ガス窒化浸炭処理を実施し,化合物層の気孔生成及び成長に及ぼす影響に関する実験結果を報告した。パラメータは処理温度,時間,ガスの体積比及びプロセスパラメータである。プロセスパラメータとして1)ガス窒化,2)ガス窒化浸炭,3)第1段でガス窒化,第2段でガス窒化浸炭,の3種類を選択した。処理後,試料断面の組織観察,グロー放電発光分析による化合物層のN,Cの深さ方向分布を測定した。主な結果は次の通りである。1)K
N,K
CB+(ここでK
N=P(NH
3)/P(H
2)
1.5+,K
CB+=P(CO)
2+/P(CO
2))が小さく,温度が高く,時間が短いとき厚くて,気孔が少ない化合物層が生成される。2)2段の処理プロセスでは温度が高く,時間が短いとき第1段化合物層が厚くなり,第2段で低い温度でN,C濃度が望ましい濃度になる。今後,水素の影響などさらなる研究が必要である。