抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ウェーブレット変換という「見方を変える技術」を使って化学プラントの複雑な時系列運転データから問題点を明らかにし,対策を実施した事例を紹介した。ウェーブレット変換は,時系列信号に含まれる周波数を時間ごとに取出す数学的手法である。周波数解析という点ではフーリエ変換と同じであるが,時間に対する解像度がある点や非周期信号に対しても適用できる点でウェーブレット変換の方がより有効な手段になる。一例では,製品品質に影響する運転の時系列データには特徴がないが,各トレンドをウェーブレット変換してそのパターンを比較したところ,原料の組成変動と品質のパターンの類似から原因が明らかになった。化学プラントの挙動を解析する場合,信号が系を伝搬する間に位相変化,無駄時間,信号の混合,ゲインなどにより波形の変化が起こるのでデータ間の関係が不明瞭になってしまう。周波数は変化せずに不変量として系内を伝搬することに注目すれば,データ間の関係を見通すことが容易になる。