抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,メカノケミカル法を利用してLSM前駆体を合成し,非晶質から熱処理により結晶化して,LSMの1000°C以下での結晶相関係を検討した。本研究で対象とする(La,Sr)MnO
3+δ,δは,MnO
6八面体ブロック8個が頂共有してできる大きな隙間のAサイトにLa
3+(イオン半径:136pm)またはSr
2+(144pm)が入ったペロブスカイト型構造を有する固溶体である。AサイトのLa
3+を,Sr
2+で置換していくと,電荷平衡を保つためにBサイトのMn
3+(64.5pm)がイオン半径の小さなMn
4+(53pm)となって,MnO
6八面体ブロックが収縮することになり,LaMnO
3-SrMnO
3系固溶体の結晶構造は組成によって複雑に変化すると予想される。水酸化物コロイドを粉砕助剤として用い,原料MnO
2をコロイド内部に混錬して微細化すると同時に水和することを特徴とするメカノケミカル法により,低温反応性に優れた前駆体を合成した。前駆体は600°C以上で(擬)立方晶を経由して組成に特徴的な結晶相を持つLa
1-xSr
xMn0
3+δに結晶化した。格子体積と組成の関係から立方晶LaMnO
3に対する固溶限界はx=0.57と求められた。LaMnO
3-SrMnO
3系結晶相関係をペロブスカイト構造の系統的な変化と関連付けて議論した。