抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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スギの在来品種であるリュウノヒゲは台風の被害が軽微であり,耐風性品種であることが過去熊本県,大分県で報告されている。また,根元曲がり,幹曲がりがなく,断面積が正円で優れた樹幹型をもっており,「精英樹県菊池3号」と同一のDNA型を示すことがわかっている。熊本県菊池市の水源林業研究グループは耐風性と樹幹型に優れるリュウノヒゲの造林を計画した。同品種は挿木発根率が低い欠点をもち,同県内ではこれまで広く造林されてこなかった。筆者らの研究グループは挿木発根率の向上を図り,苗木の生産と販売に取り組んだ。また,同県林業研究指導所で2004年度から取り組んでいるリュウノヒゲ苗木の安定生産,特性調査の技術支援の事例を報告した。DNAマーカーを用いた母樹の管理を採穂園の造成については,林分にDNAマーカーを用いてクローン識別を行い,確認された立木を間伐し,採穂した。そして,発根率向上のための挿付け方法の検討,リュウノヒゲの特性調査,苗木のクローン混入度の調査を行った。その結果本調査により母樹の特定と採穂園の造成が行われ,将来的にリュウノヒゲの安定生産体制が整った。また,林間にさし木し,発根促進剤を用いることにより発根率が向上し,今後はより大量に苗木を生産できると予想される。また,苗畑での挿木発根性向上や育苗方法の確立も必要である。