抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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トンネル建設後もトンネル湧水がアルカリ性を呈する地点において,そのアルカリ性の原因を究明するために調査ボーリングコアを用いた溶出試験を行うとともに,現地水質調査および地球化学解析によって自然環境を活用した合理的な中和方法を考察した。その結果,アルカリ性の主な原因が,トンネル掘削区間に分布する頁岩や砂岩などに介在する方解石の溶解という自然的原因であることがわかった。さらに,希釈水となる周辺沢水の流量が少ない場合,沢水との混合だけではトンネル排水のpHは十分に低減できないこともわかった。しかし,PHREEQEによる解析によって,大気中の二酸化炭素の溶解を促進させることにより,中和することが可能であることが示唆された。このことから,中和処理装置を設けることなく,自然の浄化作用を活用するアルカリ性地下水の影響を低減する対策の可能性が示された。ただし,大気中二酸化炭素の溶解を促進するために,現地地形を踏まえ,二酸化炭素と地下水との接触にかかわる時間や面積の影響を調査する必要がある。(著者抄録)