抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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ポリジメチルシロキサン(PDMS)に対する希ガス,および数種の炭化水素ガスの溶解性の評価を分子シミュレーションの手法を用いて熱力学的に考察した.PDMS の 25°C, 1 気圧におけるバルク構造は分子動力学(MD)シミュレーションによって作製した.分子鎖間の空隙分率を仮想球分子の挿入によって評価し,粒子挿入法を用いてガスの過剰化学ポテンシャルと平均的な溶質-溶媒間の相互作用エネルギー(溶解エンタルピー)を計算した.希ガスとメタンについては単一のレナード・ジョーンズ(LJ)型ポテンシャル力場で表されるが,過剰化学ポテンシャル,溶解エンタルピーとも LJ 型の分子サイズ(σ)とエネルギー項(ε)とはよい相関が見られた.一方,メタン以外の炭化水素は,単純に LJ 型のパラメーターでは比較できないため図形的に分子サイズを求め解析した.分子サイズと過剰化学ポテンシャル,溶解エンタルピーとはよい相関関係を示した.キセノン,エタン,プロパン等,ガスの分子サイズが大きくなると過剰化学ポテンシャルは負の値を示す.これは溶解エンタルピー項が溶解エントロピー項よりも負の大きな値となることに起因することが明らかとなった.(著者抄録)