抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,データセンタを対象とした直流給電技術について,その背景やメリットを説明した。社会で扱う情報量が,2025年には現在の200倍になるとの予測もあり,ICT関連の消費電力量は,年々増加傾向にある。このITサービスを支える国内データセンタにおける消費電力も,2013年度には年間100億kWhを超えると予想されており,省電力化が大きな課題となっている。このような背景から,データセンタの消費電力を削減する手法の1つとして,直流給電技術の適用が世界的に注目されている。まず,データセンタの消費電力のうち,空調設備や給電装置・配電系などで消費される電力が,全体の55%を占める。これに対し,直流給電の採用によってテータセンタ全体の14~17%の省エネルギー化が期待できる。次に,IT装置内部で使われる電力は,全体の45%程度となっているが,合計4回のAC/DC変換およびDC/DC変換を繰り返している。電力変換1回当たり10%程度の損失が発生するため,給電損失の主な要因となっている。これを,直流給電にすると合計2回の変換で済むようになる。また,直流給電システムのもう1つのメリットは,回路が非常にシンプルな点であり,交流給電に比べ約10倍の信頼性が得られる。さらに,施工性の改善を図っているのが,給電電圧400V程度の高電圧直流給電(HVDC給電)である。給電電圧を-48Vから400V程度に高電圧化することで,電流を約1/8に減少させ,各配線の導電損失を抑える。これは電源装置の高効率化や小型化とともに,給電系の配線ケーブルを細くできるメリットを享受できる。最後に,直流給電に用いる装置として,日本電信電話グループが開発している,HVDC給電のキーテクノロジーについて紹介する。