抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,輸入飼料トウモロコシの高騰など国際化の波に翻弄されている日本の酪農経営に焦点をあて,国際化・価格高騰の時代を生き抜くための進路について6つの観点から解説した。1)トウモロコシの価格高騰とその要因,2)中長期的なトウモロコシ需給について,3)乳価の動向と決定プロセス,4)WTO,FTAをめぐる懸念,5)国際化をにらんだ酪農の方向性,6)酪農経営における自給飼料生産の強化とその条件とした。本稿での重要事項として,今回の輸入飼料トウモロコシの高騰は在庫の減少によるものでなくアメリカ国内の財政負担を軽減させるための食料戦略によるものであること,国際情勢に伴う価格変動(高騰)は今後も有り得ることから自給率を高める方策を講じること,日本の酪農経営を維持するためにも牛,人,環境すべてに優しい酪農に転換し,それに要するコストを価値観として消費者が商品価格で支払うよう意識改革が必要であること,行政による経済的支援と新しい技術開発が必要であるといえる。