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J-GLOBAL ID:201002295210918275   整理番号:10A0579510

クロマツ若齢林におけるマツノマダラカミキリ成虫の生息活動状況

著者 (4件):
資料名:
号: 63  ページ: 85-88  発行年: 2010年03月31日 
JST資料番号: L2396A  ISSN: 1347-0779  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 短報  発行国: 日本 (JPN)  言語: 日本語 (JA)
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マツ材線虫病はマツノザイセンチュウ(Bursaphelenehus xylophilus)がその樹体に侵入して発病する。日本ではマツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus),(以下カミキリ)がその主要なベクターであり,枯死木から脱出したカミキリの成虫がセンチュウを健全なマツへと伝搬する。1993年にマツ材線虫病が再発した鹿児島県桜島では,その後枯死量が増加し,2004年のピーク後は徐々に減少し,ここ数年は沈静化している。被害の侵入からピーク時までは枯損は樹高の高いクロマツ大径木に集中していたが,大径木のほとんどが枯死したあと,若齢の小径木に枯損が拡大した。桜島における今後のマツ材線虫病の動向を推測し防除手段を考えるために,クロマツ若齢林でのカミキリの標識調査を行い,クロマツ若齢木上のカミキリ成虫の生息個体数とその経時変化,滞在日数,移動距離,行動産卵状況を明らかにし,その枯損被害動向を予測した。その結果,桜島のクロマツ若齢林におけるカミキリの生息活動状況は,1)カミキリは6月に出始め7月中旬にピークに達する。2)7月下旬になると産卵活動が始まり,カミキリの定着性は徐々に高まったあとカミキリの行動は静止,歩行,交尾といった後食以外の行動をとる数が増加した。3)8月に入ると産卵活動が活発化し,生息数は高レベルで推移した。定着性は増加し移動は少なくなった。4)9月になるとカミキリの個体数は減少し,中旬になると消滅した。桜島のクロマツ若齢林には成林と同様,カミキリが高密度で生息していた。また,クロマツ小径木のカミキリ生存率は大径木と同レベルであった。そしてそのクロマツの生育状態は良好であり,桜島にカミキリが繁殖や性成熟に利用できる資源が豊富に存在することを意味しており,カミキリの個体数が急激に減少することはないと予測される。よって,桜島の枯損被害はまだ終息していないと推察される。
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分類 (2件):
分類
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森林保育  ,  昆虫・ダニによる植物被害 
引用文献 (10件):
  • G. A. F. Seber (1973) The estimation of Animalabundance and related parameters, 506pp, Griffin, London.
  • 林崎泰 (2008) 鹿児島大学大学院農学研究科修士論文.
  • 岸洋一 (1988) マツ材線虫病--松くい虫--精説, 292pp, トーマス・カンパニー, 東京.
  • 清原友也 (1970) 日林九支研論 24: 243-244.
  • 清原友也・徳重陽山 (1971) 日林誌 53: 210-218.
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