抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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独立行政法人労働政策研究・研修機構は1908年に,「公共職業訓練制度・実態に関する国際比較研究会」を立ち上げ,欧米先進諸国(仏,独,英,米)における公共職業訓練の制度と実態を調査した。本報告書は,各国における公共職業訓練制度の体系,対象者ごとの制度,訓練の評価,今後の政策展開等を明らかにしたものである。21世紀に入り欧米先進諸国の政府が行う職業訓練政策は転換点を迎えている。失業者等の社会的弱者に限定した職業訓練という従来型の枠から脱却し,生涯にわたり労働者のキャリアを育成していくというコンセプトに基づく各国の政策には,驚くほど多様なメニューが並んでいる。これら諸国では,グローバル化する市場競争に対応可能な労働市場の形成が必要であり,そのためには労働者の職業能力の向上が不可欠なことから,積極的に企業や労働者の職業訓練を支援していくという視点で政策が進められているのである。欧米先進諸国の公共職業訓練制度を調査して明らかになったことは,決して「官から民へ」という単純な図式ではなく,国が責任を放棄することなく,多様なプレイヤーの有機的な連携のもと政策を推進していこうという姿である。従って政府が求められる施策の対象範囲は,従来よりもむしろ広がりつつあるという感さえある。日本は,共通の課題を抱えているこれら欧米先進諸国から,いかに多くの経験を学びとれるかが重要になろう。