抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
本論文では,コ・モビリティ社会の実現に向けて提唱したコミュニティ科学が,ソーシャル・キャピタルの高いコミュニティの形成に果たす役割を検討した。まず,1)因果関係の説明を目的とすること,2)研究手続きの公開,3)結論についての不確実性の評価,4)方法論の提示といった社会科学の科学性を満たす4条件に対し,4)については「複合型コミュニティモデル」などの方法論が提示されていることを示した。ローバート・パットナムは「共有地のジレンマ(囚人のジレンマ)」を引用してソーシャル・キャピタルについての実証研究を行っているが,ゲーム論からの帰結との論理的整合性は十分でなく,1)は今後の課題となっている。そこで,理論的な厳密さを意識してゲーム論とソーシャル・キャピタルの関係を検証し,おうむ返し戦略が均衡点になり得るというゲーム論の数学的帰結が方向性として意味のあることを論じた。さらに,現実空間における伝統的なつながりと情報空間における新しいつながりを融合させる複合型コミュニティモデルは,より短期間でソーシャル・キャピタルを蓄積できるという意味でも有用なことを示した。