抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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二次電池開発は,エネルギーセキュリティの向上,低炭素社会への貢献が期待されている。NEDOは今年5月二次電池技術開発ロードマップ「Battery RM2010」(BRM2010)を策定した。BRM2010は,2次電池を7つのタイプに分類し,その求められる性能から,「エネルギー密度指向型」「出力密度指向型」「寿命指向型」と3つの特性に分けることができることも示した。それぞれのタイプの2次電池についての開発の方向性は,次の通りである;(1)タイプ1:EVや電動2輪では,本格普及のために航続距離の更なる延長が必要であることから,要求性能の第一はエネルギー密度の向上としている。2030年の目標(500W時/kg)達成のためには,高容量化が期待される「多価カチオンーイオン電池」や「金属ー空気電池」の登場が必要で,この分野の研究開発に力を入れて行かなければならない。(2)タイプ2:鉛蓄電池を搭載したバッテリー式フォークリフトのサイクル寿命が短く数年に一度のペースで電池交換が行われていることから,現状のリチウムイオン電池のサイクル寿命に対して3~4倍程度の寿命が実現できれば,電池交換なしで継続的に利用できる。(3)タイプ3:PC・携帯電話・デジタルカメラを主用途とする2次電池で,民生用途では必要とされる性能はほぼ満たされている。(4)タイプ4:主用途の1つであるディーゼルHEV鉄道車両では車体重量が大きい上に電池の搭載スペースが少ないことから,自動車以上にアシスト用の出力が必要であり,3500W/kgを目標値として設定した。(5)タイプ5:主用途であるUPSは,鉛電池の採用が主流であるが,高温環境では電池の劣化が急速に進み,5年程度で電池交換をする場合もあることから,カレンダー寿命の向上が求められている。(6)タイプ6:主用途である無線基地局用バックアップ・通信ビル用バックアップでは,鉛蓄電池を採用しているが,リチウムイオン電池並みのエネルギー密度があれば,小型・軽量にすることができ,ビルのフロアに設置する際に床面耐荷重などの制約を受けにくく設置の自由度が広がる。(7)タイプ7:主用途である施設工場向け蓄電システム,住宅向け蓄電システム,風力発電などの出力安定化,余剰電力対策のための系統安定化用途では,深い充放電を繰り返すためサイクル寿命が求められる。