抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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スマートグリッドが世界中で注目されている。これは,需要家機器を大容量畜電池や制御可能な分散型電源とともに双方向情報通信ネットワークを利用し統合的に制御を行なうことによって,電力系統に発生する問題を解決し,高信頼度・高品質の電力供給を行うものである。前号では,欧米におけるスマートグリッド関する研究開発動向について述べた。今回は,日本におけるスマートグリッドの必要性や将来像について述べる。日本では,2020年までに1400万kWの太陽光発電を導入する計画がある。これは現在の夏のピーク需要の約1/4に相当し,電力系統に様々な影響を与える。最も懸念されるのが,軽負荷時の大幅な余剰電力の発生である。重負荷時にも,系統故障などで大量の太陽光発電が一斉解列した場合の系統安定性に懸念がある。これらの系統安定化対策コストを最小化するために,必要な系統側の蓄電池設置をできるだけ減らす観点から,日本型スマートグリッドを考える必要がある。このため,需要家側では,太陽光発電装置のほかに,貯湯槽を持つ高効率のヒートポンプ給湯器や蓄電池を持つ電気自動車などの大量導入を考慮に入れ,双方向情報通信システムを活用して系統側の,火力,水力,揚水発電所や蓄電池,FACT機器と協調制御することにより,これまでどおり高信頼度,高品質の電力供給を行うシステムが日本型スマートグリッドの基本となる。著者らも,その一例としてユビキタスネットワークを提案している。長期的な視点からは,このスマートグリッドを基礎にして,スマートシティ,スマートコミュニティーまで広げた,次世代エネルギー社会の検討が行われている。