抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文では,科研費の基盤研究として実施した,折り紙構造のヘルムホルツ共鳴器を用いた自動車の車室内低周波騒音(こもり音)の低減に関する研究について述べた。解析フェーズと実験フェーズからなり,1)汎用有限要素法ソフトウェアNastranを用いた音場解析,2)共鳴器の喉部に反転螺旋型折り紙構造を適用した乗員耳位置での音圧レベルの周波数応答変化の解析を前者で行った。その結果,ヘルムホルツ共鳴器を適切に用いれば車室内のこもり音を低減できたので,後者としてポリプロピレンで折り紙構造の喉部を試作し,ベニア板で作成した共鳴器に取り付けた。しかし,喉部の剛性が原因となって音がうまく下がらなかったので,剛な鋼管を二重に組み合わせた喉部を検討したところ,共鳴周波数110Hzのこもり音のピークが2つに分割される効果が確かめられた。すなわち,折り紙構造は剛でなければ騒音が低減できないという示唆が得られるとともに,シミュレーションにおける解析条件設定の重要性が明らかになった。