抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高速PLCがホームネットワークの手段として大きく期待されている。高速PLCでは,OFDM方式がPLCモデムの変調方式として主流となっており,2~30MHzの周波数帯域を利用して通信を行うが,この周波数帯域には航空機,船舶,アマチュア無線,短波放送など多くの短波通信が存在する。このような短波通信への電波干渉を防ぐために,高速PLCモデムのOFDM信号において,当該サブキャリアを使用しないようにしたノッチ技術がある。一方,外部の短波通信の送信機から放射された電波が逆に高速PLCの伝送特性に彰響を及ぼして,伝送速度が低下し,最悪の場合は誤動作の発生することが懸念される。本研究では,高速PLCシステムに対するイミュニティ特性として,狭帯域伝導妨害波に対するPHY rate(物理層の伝送速度)特性を測定と計算の両面から検討した。同時に,PLCシステムからの放射妨害波対策用に適用されているノッチ技術が,PLCシステムのイミュニティ特性に及ぼす効果も検討した。その結果以下の点が明らかになった。 1)狭帯域伝導妨害波をノッチの存在する周波数に印加した場合,その周波数の正規化PHY rateは,C/I(キャリアの全電力/妨害波の電力)=30dB以上では100%と全く低下せず,C/I=5dBから急激に低下し始め,C/I=-35dBで10%程度になる。 2)狭帯域伝導妨害波をノッチの存在する周波数に印加した場合,ノッチの帯城幅だけ妨害波の影響を受けない。また,ノッチ以外のサブキャリアにおける電力レベルが若干増大するため,C/I=-15dB前後では,ノッチ挿入前よりもPHY rateが増加する。そのため,ノッチを挿人しない場合と比較して,ノッチ周波数の正規化PHY rateは15~25%程度改善し,同じ正規化PHY rateを示すC/Iも見かけ上l0~15dB程度改善される。 3)MATLAB/SimulinkでPHY rateをシミュレーションした結果,測定値と2Mbps以内で一致し,PLCシステムの伝導妨害波イミュニティ特性は測定だけでなく,計算においてもシミュレーションが可能である。