抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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京都府の転換畑で栽培される秋アズキ品種‘京都大納言’を水田土壌を充填したポットに播種し,人工気象室内で生育させて生育初期における湛水の影響を調査した。初生葉展開時に7日間の湛水を行う湛水区を設け,その後の生育と根系発育について適宜かん水する畑区と比較した。湛水処理終了直後の主根の横断切片を観察したところ,畑区と湛水区の間には内部組織学的な差異は認められず,湛水により通気組織は形成されなかった。処理終了直後とその7日後における個体あたり乾物重は畑区に比べて湛水区で明らかに劣った。総根長は処理終了直後では湛水区で有意に小さかったが,処理終了後7日目には畑区との差が小さくなり,湛水区は畑区の約80%まで回復した。この回復は主に不定根の形成とその伸長によるものであった。‘京都大納言’と同じ大納言系秋アズキ品種である‘能登大納言’を供試して,‘京都大納言’との間での不定根数の経時変化と処理終了後7日目の乾物重を調査したところ,いずれの品種でも不定根は畑区と湛水区の両区で形成されたが,その数は湛水区で明らかに多く,処理区間の差異は‘能登大納言’でより大きかった。一方,乾物重は畑区に比べて湛水区でやや劣ったが,その減少程度は‘能登大納言’では小さく,不定根数の増加によって乾物重の抑制が緩和されることが示唆された。(著者抄録)