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J-GLOBAL ID:201002298577236439   整理番号:10A0355775

PKCβIによるヒストンH3T6のリン酸化はヒストンH3K4の脱メチル化を制御する

Phosphorylation of histone H3T6 by PKCβI controls demethylation at histone H3K4
著者 (15件):
資料名:
巻: 464  号: 7289  ページ: 792-796  発行年: 2010年04月01日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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リジン特異的デメチラーゼ1(LSD1)によるヒストンH3の異なるリジン残基の脱メチル化は,遺伝子の抑制あるいは活性化のどちらかを引き起こす。コリプレッサー複合体の構成因子として,LSD1は,ヒストンH3リジン4(H3K4)からモノメチル化とジメチル化標識を除去することにより,標的遺伝子の抑制に働く。一方で,アンドロゲン受容体(AR)が活性化する遺伝子発現では,LSD1は,ヒストンH3リジン9(H3K9)のモノメチル化およびジメチル化標識を除去する。この2つの脱メチル化特異性を制御する機構は,まだわかっていない。本研究では,プロテインキナーゼCβI(PKCβI,別名PRKCβ)によるヒストンH3トレオニン6(H3T6)のリン酸化が,AR依存的遺伝子活性化の際のLSD1によるH3K4の脱メチル化の抑制に重要であることを示す。in vitroでは,リジン4がメチル化されトレオニン6がリン酸化されたヒストンH3ペプチドは,LSD1の基質にならない。in vivoでは,PKCβIは,アンドロゲン誘導性の遺伝子発現の後に標的遺伝子上でARおよびLSD1と共局在し,H3T6をリン酸化する。RNA干渉(RNAi)によるPKCβIのノックダウンは,H3T6リン酸化を解消し,H3K4脱メチル化を亢進させ,AR依存的な転写を阻害する。PKCβIの活性化は,上流のゲートキーパーとして働くキナーゼであるプロテインキナーゼC関連キナーゼ1(PRK1)の,アンドロゲン依存的な誘導を必要とする。PKCβIとリン酸化H3T6(H3T6ph)の濃度上昇と,前立腺がんの高グリーソンスコアとの間に正の相関がみられ,PKCβIの阻害がin vitroでのAR誘導性の腫瘍細胞増殖と,in vivoでの腫瘍異種移植片でのがん進行を阻害することは注目すべきである。まとめると今回のデータは,アンドロゲン依存的キナーゼシグナルが,新規のクロマチン標識であるH3T6phの書き込みにつながり,その結果,AR誘導性の遺伝子発現の際にはH3K4の能動的メチル化標識除去が妨げられることが明らかとなった。Copyright Nature Publishing Group 2010
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分類 (2件):
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遺伝子発現  ,  発癌機序・因子 
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