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J-GLOBAL ID:201002298813192910   整理番号:10A0592839

人間が利用する種での個体群多様性とポートフォリオ効果

Population diversity and the portfolio effect in an exploited species
著者 (7件):
資料名:
巻: 465  号: 7298  ページ: 609-612  発行年: 2010年06月03日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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生態学で最も広く知られている論旨の1つは,生物学的多様性が生態系プロセス,およびそれが社会に提供するサービスを安定化させているというものである。この概念は,生物多様性保全に関する一般的な論拠となっている。種の豊富な群集は,生態系で類似した機能を発揮する種の間の相補的または独立的な動態により,経時的に安定性の高い生態系サービスを生むと考えられている。群集内でのこのような変化抑制はポートフォリオ効果とよばれ,金融資産の安定性に資産の多様性が与える影響と類似している。これまで生態学では,こうした議論は種の多様性が生態系の安定性に与える影響に集中し,個々の種内での生物学的な意味での多様性の重要さは考慮されてこなかった。現在,個体群の消滅速度は種の絶滅速度をおそらく3桁以上上回っており,そのため,重要な生態系サービスを提供する個々の種の能力に個体群や生活史の多様性がどう影響するかを明らかにすることが緊急に求められている。今回我々は,ブリストル湾(米国アラスカ州)のベニザケ(Oncorhynchus nerka)の50年にわたるデータを用い,人間が大量に利用してきた重要な種の個体群および生活史の多様性に起因するポートフォリオ効果を,初めて定量化した。ブリストル湾のベニザケ回帰数の年次変動は,この系が現在のように数百の別々の個体群ではなく単一の均質な個体群からなると仮定した場合の年次変動の,2.2分の1である。また,個体群が単一の均質な個体群であったなら,そのように変動が大きくなることによって,放棄される漁場は現状の10倍になっていたと考えられる。ポートフォリオ効果は分水界の食物網でも明らかで,サケ資源に対する捕食者の接近を安定化および拡張させている。今回の結果は,生態系サービスの安定化と,生態系サービスに依存する経済や生活の確保に,個体群多様性の維持が極めて重要であることを示している。生態系サービスの確実性は,種の喪失のみから計算される以上の速さで損なわれると考えられる。Copyright Nature Publishing Group 2010
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個体群生態学 
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