抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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移動物体追跡技術として,近年パーティクルフィルタ(PF)が注目されている。PFでは状態量と重みを持つ複数の粒子によって追跡対象物体の状態の確率密度を離散的に近似し,確率ダイナミクスを用いてそれを伝播させることで,ノイズや環境変動に対して頑健な追跡を実現することができる。PFによって高精度に移動物体追跡を行うために,複数台のカメラを使用して移動物体の追跡を行う方法が提案されているが,カメラが1台になるとオクルージョンが発生しやすくなり,追跡に失敗してしまうことが多くなる。これに対し,H.Palaioらはリーマンフレームワークを用いた多数物体の追跡手法を提案しているが,類似した外観を持つ移動物体が交差した場合追跡が困難になるという問題があった。本論文では,外観の類似する複数の移動物体の交差に頑健な追跡手法を提案した。本手法はパーテイクルフィルタを基にしており,物体の色情報に加え追跡対象物体の速度および追跡対象物体同士の距離により尤度を計算した。これにより,外観の類似する複数の移動物体が交差する場合においても頑健に追跡を行うことが可能となった。更に,背景差分の結果を利用して追跡対象物体が背景中の物体に遮蔽されたことを検知し,そのような場合にも対応できるよう改良した。追跡対象物体が遮蔽されている間は移動物体の運動をランダムウォークと仮定し,ランダムウオークのための尤度を定義した。これにより,物体の後ろから再び追跡対象物体が現れた際に追跡を再開することが可能となった。