抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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心臓心外膜は,冠状血管系の形成に寄与する前駆細胞の主要な供給源である。心外膜前駆細胞は,上皮間葉系変換(EMT)として知られている多くの形態的生理的変化を通して,冠状脈管形のいろいろな細胞となる。しかし,心外膜EMTを調節する特異的シグナリング機構は,未だ明らかではない。本研究で著者らは,心外膜EMTでのTGFβ2とヒアルロナン(HA)の役割を調べ,これら2つの分子からのシグナルが,この重要な過程に統合される機構を調べた。TGFβ2がMEKK3の活性化を誘発し,それが次にERK1/2やERK5のリン酸化を促進することが分かった。TGFβ2はまた,Has2の発現と続くHA産生を亢進した。しかし,MEKK3キナーゼ活性の阻害やERK5のサイレンシング,あるいはERK1/2の活性化の薬理学的破壊などは,こうした応答を消去した。したがってTGFβ2はHas2発現やHA産生を,MEKK3/ERK1/2/5依存性カスケードを通して促進する。さらにTGFβ2は,心外膜細胞の浸潤や分化を誘導できるが,増殖は誘導できない。しかし,MEKK3依存性経路の阻害,ヒアルロニダーゼによるHAの分解,あるいはCD44の封鎖は,TGFβ2に対する生物学的応答を著しく障害した。総合すると,これらの発見は,MEKK3/ERK1/2/5シグナリングのTGFβ2活性化は,Has2発現やHA産生を変調してEMTを誘発することを証明した。これは,どのようにTGFβ2とHAシグナリングが統合して,心外膜細胞の挙動を調節するのかを示す新たな重要な機構である。Copyright 2010 Elsevier B.V., Amsterdam. All rights reserved. Translated from English into Japanese by JST.