特許
J-GLOBAL ID:201003082882941518

有機物質及び生化学物質を同定する方法

発明者:
出願人/特許権者:
代理人 (7件): 青木 篤 ,  石田 敬 ,  福本 積 ,  古賀 哲次 ,  渡辺 陽一 ,  武居 良太郎 ,  中島 勝
公報種別:公表公報
出願番号(国際出願番号):特願2010-513576
公開番号(公開出願番号):特表2010-531978
出願日: 2008年07月04日
公開日(公表日): 2010年09月30日
要約:
本発明は、少なくとも2つの電極で構成されるナノギャップセンサーを用いた、流体媒質(Fm)中の、有機物質又は生体物質を同定し、及びそれらの濃度を決定する方法に関する。本発明は、異なる材料からなる複数の電極を有するナノギャップセンサー(100)を使用し、各プローブ分子A(3)、B(4)がそのセンサーの2つの電極(1,2)の各表面に結合しており、そのプローブ分子が、前記流体媒質中の目的の物質又は分析物分子と特異的に結合する少なくとも1つの結合可能基を有し、少なくとも2つの結合部位(c53、c54)を有する前記分析物分子が、それを含有する流体媒質から選択的に排出され、前記プローブ分子の自由末端に結合し、それらが前記電極間に架橋(Bm)を形成し、そして、インピーダンスを変化させることを特徴とする。流体媒質中の物質の濃度は、前記変化の結果として決定することが出来る。
請求項(抜粋):
少なくとも2つの電極を有するナノギャップセンサーを用いて、流体、即ち液体又は気体状の媒体中における、有機及び生化学物質、特に分子、分子配列、分子成分等を同定するとともに、その量又は濃度を決定する方法であって、 - 前記少なくとも2つの電極(1,2)が電気絶縁層(12)又は材料不在(non-material)ギャップ(12)により相互に隔てられ、前記電極が互いに異なる材料からなり、前記材料は伝導性及び/又は概ね半導性であるが、半導体特性と比べると高い伝導性を有する、ナノギャップセンサー(100)を用い、 - 前記センサー(100)の前記第1の電極(1)の表面に、(好ましくは少なくとも部分的に長手方向に設けられた)センサー結合領域(a31)を備えた第1のアフィニティー又はプローブ分子A(3)が、個々に又は独立に、前記第1の電極(1)の前記材料に対して、その両端の一方において、又はその両端の一方の近くにおいて、センサー結合して固定化され、ここで前記第1のプローブ分子A(3)の自由残基が、少なくとも1つの、但し好ましくは数個の、アフィニティー結合部位(a32)を有する自由結合又は結合可能基、分子配列等を有し、前記アフィニティー結合部位(a32)が、標的物質に対する、特に分析物若しくは分析物分子C(5)又は補助分子D(6)に対する、少なくとも所定の結合特異性を有し、 - 前記センサー(100)の前記第2の電極(2)の表面に、(好ましくは同様に少なくとも部分的に長手方向に設けられた、前記第1のアフィニティー又はプローブ分子A(3)とは異なる)結合領域(b41)を備えた第2のアフィニティー又はプローブ分子B(4)が、個々に又は独立に、前記第1の電極(1)の前記材料とは異なる前記第2の電極(2)の前記材料に対して、その両端の一方において、又はその両端の一方の近くにおいて、センサー結合して固定化され、ここで前記第2のプローブ分子B(4)の自由残基が、少なくとも1つの、但し好ましくは数個の、アフィニティー結合部位(b42)を有する自由結合又は結合可能基、分子配列等を有し、前記アフィニティー結合部位が同様に、標的物質に対する、特に分析物若しくは分析物分子C(5)又は補助分子D(6)に対する、少なくとも所定の結合特異性を有し、 - (通常は種々の分子、分子部分又は成分、分子配列等を含有し、前記電極(1,2)及びその間の前記絶縁部又はギャップ(12)の周囲を流動する)検査すべき流体媒質(Mf)から、標的となる、特に量及び/又は濃度の決定対象となる、既知の分子、分子部分又は成分、分子配列等によって形成される、実質的に任意の形状の、分析物分子C(5)又は補助分子D(6)であって、前記センサー結合及び固定化されたプローブ分子A(3)及びB(4)に対する、又はその自由アフィニティー結合部位(a32)及び(a42)を有する可動自由端に対する、互いに隔てられた少なくとも2つの結合部位(c53、c54;d63、d64)を有する分析物分子C(5)又は補助分子D(6)が、検出対象の前記流体媒質(Mf)から選択的に流出するとともに、その露出点に配置された、特に種々の末端又はその近傍に配置された前記露出結合部位(c53、c54;d63、d64)を用いて、前記アフィニティー結合部位(a32、b42)を有する所定の結合又は結合可能基、分子配列等に対し、異なる材料からなる前記電極(1,2)にその周縁端又は末端領域において特異的にセンサー結合した前記第1及び第2のアフィニティー又はプローブ分子A(3)及びB(4)の自由可動端において、前記センサー結合部位(a31、a41)を介して結合を形成し、或いは当該部位に固定化されることにより、(前記プローブ分子A(3)及びB(4)、並びに前記分析物分子C(5)又は補助分子D(6)の全体から形成され、最終的には異なる材料からなる前記2つの電極(1,2)を互いに結合する、架橋分子又は架橋(Bm)を形成して)異なる材料からなる前記2つの電極(1,2)の間の前記絶縁体層又はギャップ(12)を架橋し、或いは - 既存の架橋に含まれる、(異なる材料からなる前記電極(1,2)自体に対するそのセンサー結合部位(a31,b41)にセンサー結合した)前記2つのプローブ分子A(3)及びB(4)に、そのアフィニティー結合部位(a32,b32)を介して結合した前記補助分子D(6)が、前記流体媒質(Mf)に含有される分析物分子E(7)の相互作用により、異なる材料からなる前記電極(1,2)に結合する前記プローブ分子A(3)及びB(4)の少なくとも1つから隔離され、前記分析物分子E(7)は、前記補助分子D(6)の少なくとも1つの結合部位(d63,d64)に対する結合能を有し、前記結合は、前記補助分子D(6)と前記2つのプローブ分子A(3)、B(4)の少なくとも1つとの間の前記結合基(a32d63,b42d64)の少なくとも1つよりも強く、これにより、当初存在していた架橋(Bm)が解消され、 - 前記架橋形成又は架橋解消過程の際に生じる、異なる材料からなる前記2つの電極(1,2)に印加された交流電流のインピーダンス又は周波数スペクトルの変動に基づいて、前記標的分子の存在、量又は濃度が決定され、ここで、架橋形成の場合、前記標的分析物分子C(5)が架橋分子形成前の前記電極に存在せず、そして前記架橋形成時には前記標的分析物分子C(5)が前記電極に存在していることにより、また、架橋解消の場合には、補助分子D(6)を用いて予め形成された架橋の構成要素に対する前記分析物分子C(5)の選択的な連結により、結果として前記変動が、前記分析物分子C(5)がセンサー表面と直接又は間接的な連結を形成したか否か、或いはかかる連結が前記反応後に解消されたかに拘らず生じることを特徴とする、前記方法。
IPC (2件):
G01N 27/02 ,  C12Q 1/68
FI (2件):
G01N27/02 D ,  C12Q1/68 A
Fターム (15件):
2G060AA07 ,  2G060AA15 ,  2G060AD06 ,  2G060AE17 ,  2G060AF06 ,  2G060AG11 ,  2G060AG15 ,  4B063QA11 ,  4B063QQ42 ,  4B063QQ52 ,  4B063QR55 ,  4B063QS34 ,  4B063QS35 ,  4B063QS39 ,  4B063QX04

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