抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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鬼怒川の山間部において砂礫の減少により近年岩床の露出が増えている黒部ダム下流と,砂礫が豊富なダム上流において底生動物の定量調査を行い,砂礫の減少によって区間全体として生ずる底生動物群集の変化の一過程を推測した。4地点(合計6区間)での調査から,ダム上流-下流による底生動物群集の違いは認められたものの,各地点における流れ場(早瀬,平瀬,淵)による底生動物群集の違いがより顕著で,早瀬の平均現存量は平瀬の4.6倍,淵の8.6倍あった。またダム下流の調査から,多くの底生動物の現存量は小礫と大礫に比べて中礫タイプの早瀬で大きく,小礫タイプでは固着巣を持つ定住型の底生動物が,大礫タイプでは礫間や河床間隙を生息拠点とする底生動物が少なかった。岩床では一部の底生動物を除き現存量は極めて少ない一方,岩床上の礫パッチでは礫床に類似した底生動物群集が見られた。ダム上流と下流による各流れ場と河床基質の存在量の違いを基に,砂礫の減少によって区間スケールでの底生動物現存量は最大1/6程度に下がりうることが示された。(著者抄録)