抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本稿では,メモリ消費電力に基づく動的なCPU周波数制御手法について述べる。近年のプロセッサにはDVFSと呼ばれるCPU周波数および電圧を変更可能な仕組みが実装されている。CPU使用率100%の場合にDVFSを利用し省電力化する先行研究では,アプリケーションの性能がCPU周波数に依存するCPU依存型かCPU周波数に依存しないメモリ依存型かを,パフォーマンスカウンタ(PMC)により判定し,メモリ依存型のアプリケーションの実行時にCPU周波数を低く設定する。メモリ依存型ではCPU周波数を低く設定しても性能低下が小さいため,高性能と省電力が両立する。しかし,PMCは性能解析など様々な用途で利用されるため,CPU周波数制御にPMCを利用すると,PMCの用途が限定される問題がある。本稿では,CPU依存型のアプリケーションの実行時にメモリ消費電力が小さく,メモリ依存型のアプリケーションの実行時にメモリ消費電力が大きいことを実験により明らかにし,メモリの消費電力に基づきCPU周波数を制御する手法を提案する。提案手法のNPBによる実機上での評価では,8個中6個のベンチマークにおいて概ね目標通り性能の制御を行うことができた。また,5%の性能低下を許容する条件でCPU周波数を制御した場合に,luベンチマークでは,3%の性能低下に対し,最大9%消費電力量を削減できた。本手法は,PMCを利用せず,センサーから取得するデータを利用しており,BIOSレベルの実現も可能である。(著者抄録)