抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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現在,主に閑散線区で使用されている列車制御システムに電子閉そく装置があるが,老朽化し,交換部品の入手が困難になってきている。このような状況から,電子閉そくシステムに代わって導入可能なシステムとして,汎用無線技術を使用した「拠点無線式列車制御システム」の開発を行った。開発に当たって次の3点を基本方針とした。1)現行設備をできるだけ活用し,システムの移行を容易にする。2)連続的な列車制御など,拡張性を持たせる。3)電子閉そくのシステム運用上の問題解決を図る。開発したシステムの閉そく機能は電子閉そくと同じであり,中央装置から事前に受け取った車載器IDが到着した列車のIDと一致したとき閉そくを解錠する。ただし,解錠の判断を行う駅制御装置はこれまでのシステムでは時刻情報を持たないため,早期に列車が出発してしまう輸送障害が発生していた。拠点無線式列車制御システムでは,出発駅で車載器IDを受信したときに中央装置においてダイヤとの照合を行い,適切なタイミングになったとき進路設定の許可情報を制御装置に送信する。これによって,列車の早期出発を防止できる。また,始発駅で車載器IDと列車番号との関連づけを行い列車が終着駅に到着するまで追跡を行い,駅出発時の乗務員による進路設定要求操作も省略することができる。拡張性として,踏切防護機能などの付加によって保安度を向上させることも可能である。本列車制御システムについて,現地試験によって基本動作が正しく動作することを確認した。