抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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(ア)林分構造モデル:スギ林,ブナ林等を対象に林分構造及び個体サイズに関するモデル化を行い,胸高直径,樹高,枝下高と林分密度との相互関係を定式化した。また,樹幹形モデルに関与するパラメータを整理して,林木個体ごとの樹幹形並びに葉,枝,幹の垂直分布を推定する手法を開発した。(イ)林冠光合成モデル:主要な樹種・森林タイプの生産構造,葉群構造をモデル化し,林冠透過光の推定方法を検討し,陽葉~陰葉等林冠における葉の形質の空間分布を明らかにした。一方,異なる光環境下にある個葉の光合成パラメータと環境依存性や季節変化等を解析し,葉群の空間分布構造との相互関係を考慮して,林冠光合成へのスケールアップ手法を提示し,林冠スケールの光合成生産や剰余生産の日変化,季節変化を計算することができた。(ウ)木部呼吸モデル:樹種あるいは樹冠構造を反映させるパラメータを用いて,樹高,胸高直径,枝下高,生枝下高直径から木部表面積を推定する計算方法を考案した。アカマツ林,コナラ林,ヒノキ林における木部呼吸速度の温度依存性等に関するモデル化を行って,各林分の木部呼吸量の季節変化等が計算できた。(エ)森林群落レベルの炭素収支:任意の葉群分布パターン,林分構造を想定して,林分あたりの剰余生産量PS(=総光合成量-葉群呼吸量)及び木部呼吸量を評価するモデルが構築された。葉層が極端に下層に偏っている場合ほど温暖化に伴ってPSが低下すること,平均気温の上昇とともにPSが低下すること,相対湿度の低下によってPSが顕著に低下すること,等が予想された。また,温暖化によって木部呼吸量は確実に増加するため,現在の気候変動傾向から考えて,純生産量(炭素固定量)は低下することが結論された。(著者抄録)