抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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高度成長期以前-高度成長期-バブル経済期-経済停滞期における生鮮水産物のブランド化現象を歴史的に整理し,その必然性や背景となる政策の動向を把握した。水産物ブランド化を現代的な水産物流通構造変化の中に位置づけ,ブランド化の誤謬や限界について検討し,その意義を吟味した。ブランドの研究はマーケティング研究の中核をなし,個別経営体の成長と生き残りに有効な戦略・戦術であるが,差別化投資と利益縮小,単品ブランド・量販店主導ブランドの限界,産地間競争等の問題をはらんでいる。公共の場を利用し天然資源を採捕することにより食料を生産する水産業は公益的性格が強く,個別の産地・経営に焦点を当てたコンサルティング的・経営学的視点より,水産物流通の全体構造における問題点に焦点をあて,その克服と社会的有効性の実現を目的とした経済学的視点が必要となり,ブランド化の加熱とそれがもたらす社会的状況について慎重,冷静,批判的に見守る必要がある。