抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
岐阜県東濃地域では,栗殻が毎年9月から11月の間に約500t排出され,その大半が廃棄されている。県森林研究所では,資源のリサイクル利用の推進を目的に,栗殻を有効利用する方策を模索している。本研究は,栗殻の用途開発の一手法として,きのこ菌床栽培への適用の可能性を探るために,シイタケ菌床の基材への利用が子実体発生におよぼす影響を調査した。その結果,シイタケ苗床栽培において,栗殻の苗床基材への利用は栗殻の配合割合によっては,広葉樹チップ,おが屑と同等の子実体発生があることが確認された。苗床のpH値の低下,栗殻自体の吸水性が低く,苗床作成時の含水率に影響した。また菌糸まん延日数が長くなり,子実体の発生時期も遅くなる傾向が見られた。これらは他の苗床材料の配合によって改善できる可能性がある。栗殻配合シイタケ苗床は雑菌が発生する傾向が見られた。これは,栗殻中の栄養分が加わることによって,苗床が栄養過多に偏った可能性がある。よって,雑菌の発生を抑制するためには,栗殻の利用割合をさらに検討することが必要である。今後は対照区と同等の子実体発生量が得られた栗殻配合25%を中心に種々の基材栄養体との組み合わせや配合割合を検討する予定である。