抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本研究では,これまで硝酸態窒素に関する研究が行われていない狭山茶園地帯において,高頻度かつ増水時を加味した採水調査を行った.調査地域は荒川水系霞川流域の本流・支流5地点であり,期間は2008年9月~2009年10月である.分析の結果,茶畑が広がる支流2地点で環境基準値(10 mg・l
-1)を超える値が観測され,最高値は36.5 mg・l
-1にも及んでいた.すなわち,日本国内で茶に対する施肥基準値が最も低い狭山茶園地帯(450 kg・ha
-1・y
-1)においても,硝酸態窒素汚染は深刻であることが分かった. 本流では増水時に窒素流出負荷量が有意に増加していた.しかしながら,茶畑が広がる支流2地点では,平常時と増水時の窒素流出負荷量に有意な差はみられなかった.窒素収支式の残差から求めた茶畑からの窒素流出負荷量は53~154 kg・ha
-1・y
-1となり,硝酸態窒素濃度の最高値が観測された流域では53 kg・ha
-1・y
-1と小さかった.しかしながら,ここでは河川流量も小さいため,結果として高濃度の硝酸態窒素が流出していた.また,この流域における硝酸態窒素濃度が環境基準値を下回るためには,窒素施肥量を390 kg・ha
-1・y
-1まで減らす必要があることも明らかになった.(著者抄録)