抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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植物,特にイネ,シダ類の育種,遺伝と変異の研究を大正から昭和にかけて先駆的に展開した,永井威三郎の業績とその背景を検討し,以下の構成でまとめた:1 永井威三郎博士の功績;2 ドイツ”発生生理学の父”Klebs博士と永井,2-1)永井がKlebs教授から与えられた課題,2-2)シダ研究の成果,2-3)Klebsの「特定構造説」と3つの要因;3 柴田桂太郎博士と永井の関係,3-1)永井威三郎のフラボン研究の温床,3-2)植物の赤褐色物質の研究,3-3)新色原体 プロトシアニン検索,3-4)”予報,”Preliminary Communication”という名の論文,3-5)稲のボウ(表面の細毛)の着色と遺伝。Klebs博士は永井が師事したハイデルベルグ大学の教授で,植物が外界の外的状態(光や温度)の影響を受けて形質が発現する仕組みとして,外的状態はシグナルとして内部に伝えられ内的状態となり,内的状態は特定構造に反応を起こさせ,形質が発現するという「特定構造説」を唱えた。この説は永井のシダの研究のみにでなく,植物の発生,成長,栽培,稲作,フラボンなどの研究にも脈々と流れていると指摘した。