抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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数理計画法の進展にともなう数理計画ソフトウェアの求解性能の改善は目覚しいものがあり,現在もその進展は続いている。本稿は,トヨタ生産方式における「かんばん方式」の概念に基づいた引っ張り型生産指示方式の数理計画モデルを対象として,数理計画ソフトウェアを用いた解法,特にチユーニング機能を活用した解法について論じたものである。そして,引っ張り型生産指示方式の数理計画モデルを対象として,数値計算を通して数理計画ソフトウェアの求解性能の向上を示すとともに,チューニング機能を活用した整数計画問題の解法を例示した。作成した近似計算手続きは, 1)分枝カット法によって対象としている問題の解の下限を切り上げる,2)ノード棄却の判定基準値においてαという相対誤差を導入することによって解の上限を切り下げる,さらに3)解くべき問題の特徴を捉え,段取り替えに関わる変数を優先的に分枝させる優先順位データを導入する,という3点の視点から構成されている求解戦略に基づくものである。そして,チューニング機能を活用して適切な設定をすれば,求解性能がさらに改善されることを示した。このように,求解の困難な問題に対しては,解くべき問題の特徴を踏まえた上で,複数のアプローチを組み合わせることで対処すれば成果が得られることが示された。