抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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近年の神経科学の発達は目覚しく,マーケティングの分野でも,神経科学の知見から市場調査への非侵襲的脳機能計測法の適応(ニューロマーケティング)が注目されている.これは,消費者心理や行動の仕組みを解明し,マーケティングに応用しようという試みであり,多くの研究成果が報告されており,ブランド情報が,脳活動に影響を与えることなどが示唆されている.一方,商品名だけでなく商品キャラクタも,ブランディング戦略には欠かせないものである.そこで,本研究では商品キャラクタに注目し,商品キャラクタを見たときの脳活動に着目する.脳波研究の視覚刺激としてヒトの顔を用いた研究はこれまで多く行われてきており,ERPのP2成分とinducedガンマ帯応答が,ヒトの顔認知に関係すると言われている。本研究では,キャラクタに対する認知状態においても同様に反映されるか検証を行った.本研究では,我々が日常目にする商品パッケージに使用されているキャラクタ画像を提示し脳波を測定し,そのキャラクタに対する認知状態による比較を行った.その結果,ERPにおいて顔認知度を反映すると言われる後頭側頭部のP2振幅で有意な差が観測された.また,inducedガンマ帯応答においても,知っているキャラクタでは高周波ガンマ帯で大きな活動が見られた.高周波ガンマ帯は顔有名度を反映するとされており,ヒトの顔有名度を判定するようにキャラクタの有名度もERPとinducedガンマ帯応答に反映される事が示された.今回の結果から,認知状態のみでなくこれまでにヒトの顔で知られる恐怖や喜びといった感情に関わる成分を調査する事で,脳波によるキャラクタの評価といった応用が考えられる。