抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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都心千代田区の小規模オフィスビルに導入した地中熱ヒートポンプシステムは,不凍液を循環させて地盤との熱交換を行うクローズドループで,空水冷ハイブリッド型のヒートポンプを用いてオフィスの冷暖房を行っている。2008年11月から運転を開始し,最初の1年間の実績では,年間成績係数(APF)が4.3,暖冷房時の成績係数(COP)がそれぞれ3.6,5.8であった。また,電力消費量では,空気熱源ヒートポンプの実績に対して,49%の高い省エネ率を実現した。地中熱交換器はボアホール型のもので,75m深度のものが8本,駐車場の下に埋設されている。地質は,関東ローム層,東京層および舎人層の砂,シルト,砂礫からなる第四紀の地層であり,サーマルレスポンステストにより求めたこれらの地層全体の有効熱伝導率は1.8W/(m・K)である。運転開始後1年間の運転による地盤からの採熱量は51GJ,地盤への放熱量は53GJで,バランスのとれた熱利用実績となった。地盤と熱交換する循環流体(不凍液)の温度は,ヒートポンプの入口で年間13~26°Cの範囲であり,運転1年後の温度は運転開始時と同じ18°Cであった。1年間の採放熱量,循環流体の温度実績をもとに行ったシミュレーションでは,持続的な運転が可能であることが示された。(著者抄録)