抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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樹木の成長履歴は,枝の節解析を含む年輪解析によって明らかにすることができる。本研究では年輪から枝の生存年数を読み取り,過去の現存量の成長経過を復元し,樹冠動態の解明を行った。調査対象木は22年生のスギである。層別刈取によって個体サイズおよび垂直分布を明らかにするとともに,節解析によって枝の発生から枯死までの成長過程の解読を行った。本調査林分は立木密度が高く,枝の生存年数は比較的短かった。個々の枝の生存年数を比較すると最長で13年,最短で3年,個体あたりの平均値は7~8年であった。枝の生存年数と地上高を考慮して,各樹齢の樹冠基部の高さ(生枝下高)を推定した。さらに,現存量調査で得られている樹高と胸高直径等の相対成長式を適用して,樹高成長,樹齢ごとの各器官重を推定し,樹冠動態を明らかにした。本研究で得られた結果から,節解析を応用することにより,直径や樹高だけでなく,樹冠の成長や後退,現存量など過去の成長履歴を復元できることが確かめられた。(著者抄録)