抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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極小熱流束点(MHF点)に関して提案された従来の計算法を,球の水中浸漬冷却実験で得られたデータを用いて検討した。球の直径は9.5~30mm,液過冷度は0~85Kである。Lienhardの式より求めた過熱限界温度とMHF点における固液接触の瞬間の伝熱面過熱度を比較した。その結果,MHF点の伝熱面過熱度は過熱限界温度より高い場合があること,その値は蒸気膜の崩壊様式に関係があることが示された。崩壊様式は,低伝熱面過熱度域においては瞬時崩壊であり,伝熱面過熱度の増大につれて伝播的崩壊へと移行する。蒸気膜の線形安定理論より求めた限界蒸気膜厚さとMHF点における平均蒸気膜厚さを比較した。全実験データに対して,平均蒸気膜厚さと限界蒸気膜厚さの比は液過冷度と強い相関を示した。その比は,液過冷度の増加とともに減少し,引用データによっては0.8~1に漸近した。これは,高過冷度におけるMHF点は限界蒸気膜厚さにより決定されることを示している。蒸気膜厚さの計算値と蒸気膜の安定性に対する膜沸騰域で生じる固液接触の影響について物理的に考察している。(著者抄録)