抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本報告では音場共分散行列に基づく音場再生手法を用いた波面再生について述べる。音場再生の分野では波動方程式の解に基づいた物理的な音場再生の実現が課題となっている。しかし精密な音場再生を実現するためには多数のマイクロホンとスピーカが必要であり,より少数のデバイスを用いた実用的な音場再生手法の実現が望まれている。実用的な音場再生手法として高橋等[19th ICA,RBA15-012]は原音場で観測される共分散行列のみを再生する手法(CVM:Co-Variance Method)を提案した。CVMにおいて再生信号は原音場の受聴領域付近で録音された多チャンネル信号のミキシングによって作成され,ミキシング係数は準ニュートン法などによる適応処理を経て最適化される。高橋等[Appl. Acoust.,71(2010),1177-1184]はCVMの制御により原音場のIACCが概ね再生できることを示したが,共分散行列の再生が原波面の再生を可能にすることは理論的には示されていない。本報告ではCVMが原波面を再生できることを実証するために計算機上のシミュレーションを行った。その結果CVMを用いた制御により原音場波面および原音場の音源位置が概ね再生できることを示した。(著者抄録)