抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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本論文の目的は,学術情報流通において大きな関心を呼んでいるオープンアクセスに関して,その理念と現状を明らかにすることである。最初にオープンアクセスを「情報・知識へのアクセスの向上」という大きな文脈から考えられることを確認した上で,Budapest Open Access Initiativeでの主張の背景を「古い伝統と新しい技術」および実現のための2つの方策という観点から検討した。さらに情報メディアの電子化としての電子ジャーナルの導入とそれに伴う大学図書館の役割の変化が,学術情報流通の変革としてのオープンアクセスに促進と阻害両方の影響を与えていることを論じた。次にオープンアクセスの現状を明らかにするために,オープンアクセスを実現する手段を7類型に分類することでその広がりを示した。オープンアクセスの進展度に関しては実証的なデータが少ないが,科学技術分野全体では20%程度と推測されることを示した。生物医学分野のオープンアクセスに関しては,実証的なデータに基づいてその特徴を整理した。最後にオープンアクセスの今後の方向性に関して,オープンデータや研究成果の公表のあり方をも含めて検討した。(著者抄録)