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J-GLOBAL ID:201102217667634457   整理番号:11A0846846

成体海馬ニューロン新生の増加だけでパターン弁別能の向上に十分である

Increasing adult hippocampal neurogenesis is sufficient to improve pattern separation
著者 (17件):
資料名:
巻: 472  号: 7344  ページ: 466-470  発行年: 2011年04月28日 
JST資料番号: D0193B  ISSN: 0028-0836  資料種別: 逐次刊行物 (A)
記事区分: 原著論文  発行国: イギリス (GBR)  言語: 英語 (EN)
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成体での海馬ニューロン新生は,独特な形式の神経回路可塑性現象で,この可塑性により海馬歯状回では終生ニューロン新生が持続する。成体で生じたニューロンはその成熟までの間に高いシナプス可塑性を示し,歯状回顆粒ニューロン全数の最高10%を占めることがある。また,成体海馬ニューロン新生の程度は,例えば学習,環境エンリッチメント,エクササイズ,抗うつ剤の長期投与といった,認知能や気分の向上効果につながる介入を行うことで増大する。成体ニューロン新生がこのような性質を持つことから,この過程が海馬機能の向上に利用できる可能性が示されている。しかし,新生ニューロンが,特定の認知機能や抗うつ剤の行動改善効果のいくつかに必要だとする研究は相当数あるものの,成体ニューロン新生だけで認知や気分の改善に十分かどうかはわかっていない。今回,新生ニューロンの生存を促すような遺伝子誘導を行うと,よく似た2つの状況の識別が求められる特定の認知課題で成績が向上することがわかった。成体ニューロン新生が上昇したマウスは,対象認識や空間学習,文脈的恐怖条件付け,および消去学習の成績は通常だったが,共通部分のある提示状況を識別する課題で成績が上がった。これはパターン弁別能の向上を意味する。さらに,自発運動などの介入を組み合わせて海馬ニューロン新生を促すと,探索行動のロバストな増大が見られた。しかし,成体海馬ニューロン新生だけでは,例えば抗不安薬や抗うつ剤投与で起こるような行動反応は起こらなかった。これらの知見を合わせると,新生ニューロンの細胞死を防ぐなどの方法によって,成体海馬ニューロン新生を特異的に増やすような戦略をとれば,正常な老化に伴って進行するパターン弁別障害や歯状回機能不全を回復させるための治療法になる可能性がある。Copyright Nature Publishing Group 2011
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分類 (1件):
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中枢神経系 
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