抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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無投薬飼育技術は全ての生産現場に利用できるものではなく,衛生レベルの低い生産現揚では生産性が低下する可能性が高いことから利用することが難しい。そこで,無投薬飼育技術をより生産現揚へ普及させるための移行型技術として,5週齢以降に抗菌性物質の代替としてシンバイオティクスを用いた減投薬飼育が名古屋種の生産性及び免疫能に及ぼす影響について検討した。1.試験は,抗菌性物質無添加(対照区),抗菌性物質添加(抗菌区)及び4週齢まで抗菌性物質を添加し,5週齢以降は抗菌性物質の代替としてシンバイオティクスを用いる区(減投薬区)の3区を設けた。2.飼育成績及び生産指数(生産性の経済的指標)は,減投薬区が対照区に優り,抗菌区と同等であった。3.正肉割合及び可食内臓割合は試験区間で差はなかった。4.免疫能は,液性免疫(羊赤血球凝集抗体価及びブルセラ・メリテンシス凝集抗体価)及び細胞性免疫(遅延型過敏反応)共に,減投薬区が抗菌区及び対照区に比べ有意に優った。以上のことから,5週齢以降シンバイオティクスを活用した減投薬飼育は,名古屋種に対して抗菌区同等の高い生産性を示すと共に,抗菌区に優る高い免疫増強効果が確認されたことから,無投薬飼育へ移行するための段階的飼育技術として期待できると考えられた。(著者抄録)