抄録/ポイント:
抄録/ポイント
文献の概要を数百字程度の日本語でまとめたものです。
部分表示の続きは、JDreamⅢ(有料)でご覧頂けます。
J-GLOBALでは書誌(タイトル、著者名等)登載から半年以上経過後に表示されますが、医療系文献の場合はMyJ-GLOBALでのログインが必要です。
大局的画像領域分割は,入力画像を大まかな領域に分割する処理であり,その結果を用いて以降の処理を行うことにより,処理の高速化および性能向上が期待できる。その手法の一つに,結合マルコフ確率場(MRF)モデルがあり,画素並列型回路による集積回路実装に適している。結合MRFモデルでは,画素間の相互作用は画像の事前情報に陽に含まれない隠れ変数によって決定され,隠れ変数の相互作用の働きにより境界ベース結合モデルと領域ベース結合モデルの二種類に大別できる。このうち,領域ベースモデルでは,隠れ変数であるラベルそのもので領域を取り出せるため,境界が曖昧な場合でも領域に分割されることが期待される。しかし,モデルの収束速度が遅いという課題があった。この課題に対し,筆者らは抵抗ヒューズネットワークモデルを前処理として利用することを提案し,さらにCMOS集積回路に実現できることをこれまでに示した。本論文では,この領城ベースモデルを詳細に解析し,パラメータの政良・調整によりモデルの性能評価を行い,最適化を試みた。その結果,状態更新式の一部の関数を区分線形関数に変更することにより,大局的画像領域分割の性能を向上させることに成功した。更新関数が簡略化されたため,集積回路実装もより容易になることも期待できる。実画像を用いた性能評価により,境界ベースである抵抗ヒューズネットワーク(RFN)モデルに対する優位性を確認した。