抄録/ポイント:
抄録/ポイント
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中山間地域における過疎化対策は,生活可能な就労先の有無が条件となるが,農業,林業とも単独での生活は難しい。過去に工場誘致,リゾート開発などが進められたが,いずれも破綻している。総務省は「自らの創意に基づく」地域内発型の産業を興す必要を挙げている。本研究の対象である岐阜県加子母地区は戦後いち早く地域内発型の産業を興してきた。その一つが木工業である。加子母の木工業者は小規模だが製品は多岐にわたる。本研究では経済環境の変化への対応について1)業種(製品別)による差,2)個別業者による差を,売上高,従業者数に視点をおき分析を行い,地域内発型産業の存立条件を明らかにしようとする。業種別では1980年代に売上高,従業者数とも最高を示した刷毛板業は売上高,従業者とも輸入品に押されて激減したが,その一部は多角化,業種転換により存続を図っている。建具業もアルミサッシに押されるなど売上高は半減したが地元の産直住宅と結ぶことで存続している。主な理由は輸入品等との差別化における成否と考えられる。また,個別業者ではイノベーションの成否が存続を左右している。(著者抄録)